来談者中心療法(ロジャース理論)(Client-centered Therapy)
ロジャースの学説「来談者中心療法」の核心は、「人は誰でも自らの内部に、自己を成長させ、実現させる力(growth drive)を持っている」という考え方であり、カウンセラーが複雑な精神分析的理論に従って、クライアントの話を解釈したり、分析したり、指示を与えるよりも、クライアントの気持ちを受容し、共感的に理解することによって、クライアントは、自ら立ち直っていくことが可能であると考えています。
従って、カウンセラーの役目は、言語的および非言語的コミュニケーションを通じて、クライアントの自主的な問題解決や人格(パーソナリティー)の成長・発達を促進する援助活動にあるとしています。
カウンセラーとクラインアントの関係について、開発された来談者中心療法は、人と人との関係についての最も適切な理論として、実践されてきたものです。
このことは、コーチとクライアントとの関係においても同様に適切な理論として実践されています。
この来談者中心療法の実践に使われているのが積極的傾聴技法です。
「きく 」ことには、3種類あります
- 1.訊く(ask):
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尋ねる。
尋問する。訊き手がひたすら質問します。
訊き手の訊きたい答えを訊き出すために、訊き手が話し手を追いこむようにする姿勢です。
聞きたいことをあらかじめメモにしてそれにそって訊く場合もあります。
話し手の気持ちなどどうでもいい、訊き手が訊きたいことを訊けばそれでおしまいとなります。
刑事ドラマの取調室の状況。
裏づけをとるために訊きます。 - 2.聞く(hear):
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聞こえる。
「聞く」というのは、相手の声や言葉が聞こえてくるということで、「音声として耳に入ってくる」ことをさします。
聞き手が自分の都合のいいところだけ聞いています。
聞き手の都合の悪いことについては、聞こえていても聞いていない(「うわのそら」状態)のです。
聞き手の聞きたい答えだけを選別して聞いているのです。
「門」の中に、「耳」が入っています。
聞くだけ聞いたら門を閉めてしまう。
その後は聞かないのです。人の噂話、興味があれば聞いているが興味がなければ聞いていません。
電車・バスでの次の駅のアナウンス、自分の降りる駅がわかっていれば聞こえていても聞き流しています。
- 2.聴く(listen):
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積極的に耳を傾けて、話しを聴く。
(積極的傾聴)
話し手のそのうちにある感情や情感を聴きます。話し手は自分の気持ちをできる限り正確につかみ、表現しようと努力するようになります。
「聴く」というのは、相手の言葉を聴き、「心の内面をとらえようとすること」と定義されています。
「耳を傾けて十四の心で聴く」ということです。
電車・バスでの次の駅のアナウンス、自分の降りる駅がわかっていなければ一生懸命聴いています。
相手の立場に立った聴き方
- 相手が発する信号をきちんと受け止めます。
- 相手の心の奥まで開いてもらうように心がけます。
- 相手の話は最後までよく聴き、話の全体を把握します。
- 相手の心の扉が閉まるような言葉遣いをしません。
- 相手の言葉の奥に潜む感情をよく理解します。
- 誰が見ても傾聴していることがわかるように身体全体で傾聴態度を表します。
- 理解を深めるために、相手に適切な指摘をします。
- コーチも自分の言っている言葉に傾聴します。
- 思ったことを率直に話します。
- 右か左か、白か黒かの判断だけではなく、他の可能性はないのかを考えます。