コーチングにおける「質問」

コーチングが従来型マネジメントと最も異なる点は、質問型のコミュニケーションであるということです。
「質問する」ということは、コーチングにおける最も重要なスキルの一つであると言われています。
それは、ただやみくもに質問すればいい、というわけではありません。
クライアントの気付きを促すような、的確な質問を行うことが重要となります。

コーチングでは「すべての答えは相手の中にある」ことを基本としますが、多くの場合、クライアントは「答えが自分の中にある」とは気付いていないものです。
従来型の上から指示命令されるコミュニケーションでは、「答え」を上が提供するので、「答え」は指示命令する上のほうが持っていると思われてしまっています。
従来型のコミュニケーションにならされているクライアントに対して、クライアントが本来持っている「答え」をいかに引き出すか、その為にどのような質問をするかが重要となります。
コーチはコーチの質問にクライアントが答える過程で、クライアントが自ら考え気付き、ひいては行動に移るようにコーチングを行い支援するのです。

コーチングにおける「質問」スキル

1.拡大質問と特定質問(オープンクエスチョンとクローズドクエスチョン):
「はい」「いいえ」で答えられる質問が、特定質問(クローズドクエスチョン)
「はい」「いいえ」で答えられない質問が、拡大質問(オープンクエスチョン)
  • 特定質問:<例>あなたがやろうとしているのは、○○○○ということですか?
  • 拡大質問:<例>あなたが達成感を感じるのは、どういう時ですか?
2.未来質問と過去質問:
過去に起こった出来事に注目して、その事柄について聞く質問を、過去質問という。
未来の目標達成に向けて、コーチとして支援していくことを目的として聞く質問を、未来質問という。
  • 未来質問:<例>この方法を実行した場合、どういう結果が予測されますか?
  • 過去質問:<例>その時どういう対応をしたのですか?
3.肯定質問と否定質問:
否定的な語句を使って行う質問を、否定質問という。
肯定的な語句を使って行う質問を、肯定質問という。
  • 肯定質問:<例>まず何から始めたらいいと思いますか?
  • 否定質問:<例>なぜ、うまくいかないのですか?